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寡黙男子

第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

「そんな訳にはいかないよっ…」


「…………いかないの?」


うっ…
何なんだこの質問は…



「欲しいものとかないなら、なんかして欲しいこととかでもいいしっ…!」



ってなんかいやらしく聞こえなかったかな…っ?



自分で言ったくせに変な想像をして顔を紅くしてると、高橋くんが顔を覗き込んできてもっと顔が紅くなった。



「…………何でもいいの?」


「えっ…あ、うん…」



まさかの食い付いてきたっ…!!
『じゃあキスしたい』とか言われちゃう?
いやっ…もしかしてそれ以上っ!?!?



「……………じゃあ…嫌ならいいんだけど…」



高橋くんの間の取り方がいじらしくて…


私は、ドキドキしながら、マグカップを握ってこくんと頷いた。



「…………名前で…呼んでいい?」



……………はい?



拍子抜けして目をパチパチさせていたら、高橋くんはまた、ごめん…といってココアを啜った。

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