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寡黙男子

第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

あと、10分くらい歩いたら私のうちに着く。


高橋くんのうちはその奥にあるようで、バイバイしたら、いつもすたすたと帰っていく。


今日は引き止めてうちに、呼んでみようかな…


でも、なんかそれキモい?手も繋いでないっていうのにこいつ何考えてんの?とか思われる?



嫌がられたりして…



いつも話さない分はっきり『いいや』とか言われたら立ち直れない気がする…


あぁどうしよっ…。
でも、まだ高橋くんといたいし…。




「あー!亜紀乃じゃんっ!」



悶々としていたら後ろから呼ばれて振り返った。



げ。


「亮(りょう)!?」



チャラチャラした身なりで手を振る亮は、幼稚園からお互いを知っている、所謂幼馴染みだ。



「仲良く下校ですか~?
きゃんっ…いいねっ!」


「うるさいなぁっ…」



ウザさマックスで絡んでくる亮は私が嫌そうにするとさらに喜んでケラケラ笑った。

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