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寡黙男子

第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

本当に、高橋くんとは真逆だ。


亮は高橋くんのことをチラと見上げると、にこっと笑ってわざとらしく頭を下げた。



「ちわっす。いつも亜紀乃がお世話になってま~す。俺幼馴染みの亮ですっ!」


「…………高橋学です。」



お辞儀を返す高橋くんにちょっとびっくり。



てか何なのよその会話っ…



「変なあいさつしなくていいから、もー亮帰って!!」



ちぇっ~とまたわざとらしくいう亮の背中を押して急がせる。


これ以上高橋くんに近付くなっての。バカがうつるでしょうが。



「亜紀乃冷たいっ…僕泣いちゃうっ…」


「そんなキャラじゃないでしょうがっ!気持ち悪いっ!鳥肌立つからやめて!」


「え~ちょっと言い過ぎじゃね~。本当に泣くよ俺。」



………だるいっ!!



「いいから帰れっての!」



チラと高橋くんを見たら、別の方を向いて目を掻いてた。



あーほら、すごい退屈そうじゃん…



「分かった分かった、邪魔者は退散しますよんっ。
あ、じゃあね学!!」



ちょっ…!?なんで呼び捨て!?

私も呼んだことないのにっ!

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