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隠れて甘いkissをして

第2章 突然の出逢い

電車が来ても乗らない私を、周りの人がチラチラ見ている。

多分その状態のまま、しばらくの時間立ち尽くしていたんだと思う。

どうしても電車に乗る気になれなくて、私はホームから降りて駅を出た。


1人暮らしをしている私のマンションまでは、ここから7駅。

線路に沿った道を、トボトボと歩き始める。



「どこかで適当にタクシーに乗ればいいや……」



とにかく、この高ぶった気持ちを少しでも落ち着かせたかった。

………だけど



「…………!」



歩き始めて、10分も経っていないと思う。

昼過ぎには止んで晴れ間も見せていた空から、また大粒の雨が降り始めた。



あ、傘………

会社に忘れてきちゃった………



「……なんなのよ、もう……」



雨は次第に強くなり、容赦なく体を冷やしていく。


私は立ち止まって目を閉じた。


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