
隠れて甘いkissをして
第17章 涙
「もしかして、立花さん?」
俺と咲原は同時に振り返る。
「あ、やっぱそうだー!
麻里奈の彼氏さん!」
「えっ!麻里奈の?
わわっ!噂通りすっごいイケメン!!」
店の中に入ってきた2人組の女の子が、キャピキャピ言いながら近付いてきた。
……どっかで見たような……
「あたしの事、覚えてます??
立花さんが麻里奈を迎えにくる時に、いつも一緒にいるんだけどな~」
「私は初めてですねー!
麻里奈の話通り、イイ男!!」
一気に話しかけられた2人のうち、1人の顔を思い出した。
麻里奈と同じ会社で、いつも一緒に出てくる子だ。
年齢も麻里奈と同じくらいに見える。
別れ際、何度か挨拶したっけ。
「……っと、あれ?
今日は麻里奈とじゃないんだ?」
