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隠れて甘いkissをして

第2章 突然の出逢い

私に軽くウインクしたシゲさんと呼ばれたマスター。

年は50歳くらいかな?

白い髪とヒゲが似合う、上品なおじさまといった感じだ。

私はもう一度会釈をして、先に裏口へ行った彼の後を追いかけた。



ドアを開けて外に出ると、そこは表の通りよりも薄暗い、小さな路地になっていた。

車1台通れるくらいの道幅だ。


…………?

わざわざこっちにしなくても、さっきの通りでいいのに………

首を捻りながらドアを閉めると、彼は煙草に火をつけたところだった。

………横顔も、煙草の煙を浮かべるひとつひとつの仕草も、本当に絵になるほどの格好良さだ。


「あ、あの……」

「ん?」

「ありがとうこざいました。
傘……差してくれて、嬉しかったです」

「どういたしまして。
こっちも漫画みたいなシーンを見れたから、面白かったよ」


面白い……そりゃそうよね。

雨に打たれながら号泣してて、しかも去り際にコケるなんて女はそうそういない。

再び恥ずかしくなってきて、私は彼から目を逸らした。

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