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隠れて甘いkissをして

第2章 突然の出逢い

「ごめん」

「……えっ?」


彼がふいに謝ったので、顔を上げる。


「君、失恋したって言ってたっけ。
面白いとか言える話じゃないな」


……あ……

さっきドサクサに紛れて喋ったから……

ちゃんと聞いてくれてたんだ……


立花への想いがまた溢れてきてしまって、涙がこみ上げてくる。


「……あ……」


車のヘッドライトが見えた。

タクシーが来る………そう思ったと同時に

隣りにいる彼の顔が近付いてきた。


「………泣くなよ」

「…………!」


肩に手を回されて、ぐっと引き寄せられる。

彼の射抜く様な真っ直ぐな目から一瞬で捕らわれたように、私は動けなくなった。

立花の優しい目とは違う………怖さに近い、全身が震えるような視線。


そして、次の瞬間には

彼と唇が重なっていた。

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