
隠れて甘いkissをして
第22章 試写会
「もー、七瀬さんのせいで主役の僕の面目丸潰れですよー!」
キャストの1番中央にいる、高校生くらいの男の子。
マイクを使って笑いながら話し出す。
「その黄色い声援を僕にもくださーい!」
その言葉に、どっと笑いが起こった。
主役の男の子が自虐ギャグを言ったように
会場内が完全に呑まれてしまう程、みんなが隼人に視線を注いでいる。
……分かるわ。
彼の圧倒的な存在感は、誰がみても一目瞭然。
生まれ持った何かが彼を輝かせている。
……すごい。
本当に凄いね、隼人………
