
隠れて甘いkissをして
第28章 バスルーム
「ある時、アンジーが俺を見つけてスカウトされたんだ。
俺は最初やる気なかったんだけど、もーあのオカマしつこくてさ。
でも、今思えばあれが俺の転機だった」
隼人も窓の外を見る。
「モデルも、俳優も。
自分で言うのもなんだけど、天職だと思ったよ。
初めて人生で面白いものが見つかったと思ったね」
「…………」
その目は、自信に溢れていた。
こんな風に、生きられたら…
私ももう少し自分に素直になれるのかな……
卑屈ばかりで閉じこもってばかりの自分の人生と比べて、悲しくなってきた。
やっぱり隼人は、私なんかが届かないくらい、遥か彼方を歩いてる。
