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隠れて甘いkissをして

第29章 不穏な通告

「…………っ」



言葉が出ない。

違うって、言わなきゃ。

それなのに、彼女から感じる圧倒的なパワーの前に足まで震えてしまう。

彼女はクスッと笑って言った。



「心配しないで?

別にあなたのことを誰かにバラしたりはしないわ。

それで騒がれて隼人に嫌われたら困るし」


「……………」


「……ただ、あたしは。

隼人を返してほしいだけ」



さらに私の耳元で囁く。



「だから、あなたも今日ここにあたしが居たことを言ったらダメよ」



心の中が真っ暗になる。


全身が震えて、ただ立ち尽くすことしかできない。


その時、少し遠くから車のクラクションが鳴った。

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