
隠れて甘いkissをして
第30章 言葉にできなくて
駅までの道を、久しぶりに2人で歩く。
交差点で止まると、前にもここで立花と話した事を思い出した。
立花の彼女に嫉妬して、そのあと隼人と出逢って
その後をボーッとしていた私を連れ出し、心配してくれたこと。
別に考え事があるって言っても、理由も聞かないでくれて、また飲みに行こうぜって、笑って言ってくれたこと。
それでも……
私は立花の事は忘れてしまうくらい、隼人にのめり込んでいる。
彼が好きで、愛おしくて。
だからこそ、信じたい。
彼の過去は、私のものにはならないから。
目の前の隼人を信じて、過去は気にしない。
