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隠れて甘いkissをして

第35章 離れる心

「行こう?
みんな立花のこと待ってるよ」

「……………」



咲原はそう言って、店の中に入っていった。

俺もその後に続く。



「あーやっと来たな!
咲原!こっち来て座れー」

「ふふっ、主任酔っ払ってますね」



1番奥にいる真っ赤な顔をした主任が、咲原を見つけると呼び寄せて

咲原は笑いながらそっちの席に向かっていった。



俺は席に着かずに、携帯を取り出すと

予想通り、麻里奈からの着信が鬼のように残っていた。

カバンを手に持ち、手前に座っていた海老沢に声をかける。



「海老沢。
ごめん、俺今日は先にあがるわ」



財布から金を出して渡す。



「……分かりました。
また、月曜日に……」



海老沢は何も聞かず、俺の目を見て静かに頷いた。

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