テキストサイズ

隠れて甘いkissをして

第36章 告げられた現実

オフィスビルに囲まれた、細い路地に入った所で車は止まった。


お盆休みだけあって、人はほとんど歩いていない。


運転席にいる割と若めの男性は、外に出て周りを見張っているようだった。




「本当はね、隼人が飽きるのを待ってようと思ってたんだけど」




私と並んで後部座席に座っている彼女が、サングラスを外しながら口を開いた。


窓ガラスを少し下げて、タバコに火を付ける。


……そのタバコは、隼人が吸っているのと同じ銘柄だ。




「これ以上隼人がダメになっていくのが耐えられないから、単刀直入に言うわ。

………隼人と別れて」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ