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隠れて甘いkissをして

第38章 別れる理由

「………だから、俺の心境が自分の中で固まるまで、麻里奈とは逢えないと思ったんだ。

それで距離を置いてる。

麻里奈が結婚するなんて言うはずが……」


「彰、お前の心境はもう決まってるだろ?」




黙って聞いていた翔太が、俺の言葉を遮り口を開いた。




「なるほどね。

だから麻里奈ちゃんは焦って、お前を縛ろうと周りを固め始めたってわけだ。

愛のパワーはすげーな」


「…………?」




1人で納得している翔太の表情を見て、俺は首を傾げる。




「なんだよそれ。
周りを固めるって」

「既成事実を作って、彰を逃がさないようにしたんだろ」

「………?
いや、だからこの半端な状態が落ち着くまで、麻里奈とは……」

「もう迷ってるなんて段階は超えただろーが」

「……………!」




翔太は真っ直ぐ俺を見た。




「彰。
お前はとっくにその同僚の女に惚れてんだよ」

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