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隠れて甘いkissをして

第42章 最後の夜


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夕陽が沈み、バルセロナの街が赤い光で包まれる。

隼人は私の手を自分の腕に絡ませて、ホテルの最上階にあるレストランへ向かった。




「本当に綺麗だよ、由宇」




エレベーターを降りると、隼人は振り返って微笑んだ。




「………こんな素敵な服。
初めて着たから、変な感じ……」




隼人の褒め言葉を素直に受け入れられるはずもなく

私は恥ずかしくて目線を逸らした。




スパンコールがさりげなく光る、ブラックのワンピース。

ノンスリーブの胸元は広く開いていて、膝上のスカートには際どくスリットが入っている。

ヒールの高い真っ赤なパンプスには、散りばめられたダイヤが光る。

ホテルのスパとエステで髪のセットとメイクまでしてもらった私は、鏡に映るいつもと違う自分に戸惑った。




それでも、隼人が何度も私をキレイと言ってくれるから。

お世辞と分かっていても、心臓が締め付けられるくらい嬉しかった。

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