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隠れて甘いkissをして

第44章 衝動

驚き過ぎて声が出ない私に、香ちゃんはニタニタ笑いながら続ける。




「しかも偶然なことに、別れたのが香と同じでお盆なんですよー。
2人して寂しい夏休みだったんです。
どーせなら立花先輩とどっか遊びに行きたかったなー」


「海老沢、酔っ払いすぎ。
ややこしくなるから、もうその話止めろ」




えー面白いのにぃーと言いながら、香ちゃんは立ち上がってトイレに向かった。

立花と2人になる。




「……立花、本当なの?
だって私、8月の頭に……」



やっと声が出た。

立花は運ばれてきたビールを飲んで、苦笑いする。



「あぁ、海老沢の言った通りだよ。
別れてから、1ヶ月半か。

お前は相変わらず俺を避けるから
なかなか言うタイミングがなかった」




ドキッと心臓が鳴る。


……そもそも、立花と離れようと決めたのは、立花の彼女が会社に来たあの日からだ。


今の話が本当だとすると、それから間もないうちに立花と彼女が別れた事になる。


唐突すぎて……信じられない気持ちだった。

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