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隠れて甘いkissをして

第44章 衝動

「色々と、ごめんな」




呆然とする私に、立花は言った。




「麻里奈がお前のところに来て、色々言った話は聞いた。

それが誤解だったこともちゃんと伝えたし、咲原が気にすることは何も無いから」


「……………っ」


「今回別れたのも、お互いに無理していたことが積み重なったからなんだ。

今さらだけど……今まで本当に悪かった」




立花は軽く頭を下げる。




「……で、でも……」




なんて言ったらいいのか分からずにいると、立花がニコッと笑う。




「 本当に、気にしないでほしい。
俺としては、同期としての元の関係に戻りたいんだ。

お前と普通に話したいし、飲みにも行きたい。
俺にとって、大事な時間なんだよ」


「……立花……」




胸の奥が、きゅうっと締め付けられる。

久しぶりに向き合って話す立花は、穏やかで優しい顔をしていた。

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