
隠れて甘いkissをして
第44章 衝動
「あー!! 内緒話してるー!
香も混ぜてくださいよーー!」
トイレから戻った香ちゃんが、突進する勢いで立花の隣りに座った。
「海老沢、お前なぁ」
溜息をつきながら立花が言った。
「 俺が別れた話、社内で言いふらすのやめろよ。
なんだか勝手に話が盛られてて、俺がすげーフラれ方をされたみたいなことになってて。
全然知らない奴にまで、可哀想な男扱いされてるんだぜ?」
「あはは~超面白いですね~」
香ちゃんはケラケラ笑いながら、立花の肩をバシバシ叩く。
「立花先輩がフリーになったから、周りの女子達は今ギラギラして先輩を狙ってるんですよ~!
やったじゃないですかー。
お礼に香に、先輩の友達のイイ男を紹介してくださいよっ」
「やだね。
それに俺はしばらく1人でいるって決めたんだ。
お前もがっつかないで少しは落ちついたら?」
「うわっ!
先輩最近優しくなくなりましたよねー!
イケメンだからって、ボヤボヤしてたらイイ女いなくなっちゃいますよー」
「……ぷっ……」
2人のやりとりを見て
私は思わず笑ってしまった。
