
隠れて甘いkissをして
第44章 衝動
3人での飲み会は楽しくて、あっと言う間に時間は過ぎていった。
最初からハイペースで飛ばしていた香ちゃんは、終盤になるとグデグデになっていて
帰るのは無理だと悟ったのか、お姉さんに電話をしていて、迎えにきてもらうことになっていた。
「もー!香バカだなー!
すみませんでした。
この子は責任もって家に持って帰りますね!」
店の前まで車で迎えにきた、香ちゃんとよく似たお姉さんは
香ちゃんを後部座席に放り込んで去っていった。
その車を、立花と一緒にボーッとしながら見送る。
「……つっても、俺達も終電無いんだよな」
「うん……」
時刻は既に深夜の1時を過ぎている。
立花も私も、終電のことをすっかり忘れて飲み続けてしまった。
「………タクシーで帰るか」
2人で駅前のロータリーに向かった。
