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隠れて甘いkissをして

第44章 衝動

金曜日の夜は、この辺りのタクシーはほとんど出払ってしまう。

案の定、乗り場には1台も停まっていない。

でも、幸い待っている人は誰もいなかったから、私達はベンチに座って待つ事にした。


肌寒いくらいの風だけど、酔った体には心地よかった。




「あーー久しぶりにこんなに飲んだなー」




立花が伸びをして呟く。




「うん、私も。
久々に飲んだし喋ったりして、楽しかった」

「海老沢、あいつもスゲーな。
あんなに飲むなんて知らなかったわ」

「ふふっ。
香ちゃん、酒豪ってこと彼氏に隠してたんだって」



……………………



たわいもない会話のあと、2人の間に沈黙が流れる。


少しして




「咲原」




立花が口を開いた。

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