
隠れて甘いkissをして
第49章 七瀬隼人
……私が……?
「隼人が1番喜ぶこと……?」
そんな事、出来ていた訳がない。
隼人にはいつも与えてもらってばかりで、その上仕事の迷惑にまでなっていたんだから……
俯く私を見て、シゲさんは微笑む。
「由宇ちゃんと出逢ってからの隼人はね。
ワシの所にくると、いつも嬉しそうにこう言っていたよ」
シゲさんは、思い出すように目を細めて
隼人が言ったという言葉を口にした。
『俺がちょっと何かするだけで
由宇が笑ったり、喜んだりするんだよ。
大したことしてないのに、何回もありがとうって言って笑うんだ。
……シゲさん、俺……
その度に、嬉しくて泣きたくなる』
