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隠れて甘いkissをして

第1章 ツイてない日

暗い自虐話でも、立花はケラケラと笑い飛ばす。



「捻くれてるなー、相変わらず。
27歳ってアラサーなの?」

「……ちょうど27歳からよ」

「へぇ、じゃあ俺の彼女はまだセーフってことか」

「…………」



……そう。


この男には愛する彼女がいる。


この会社に入社して暫くは、色んな女と自由に遊んでいたそうだけど、今の彼女とはかれこれ2年くらい続いている。


その彼女は大手商社で受付嬢をしていて、会社の同僚の話だと、お人形みたいに可愛くて、立花のことが好きで好きで堪らないといった感じらしい。


立花もお酒が入り酔っぱらうと、彼女の話を楽しそうに喋る。


相思相愛とはこーいうことなんだなぁと、つくづく思うわけで。


………立花にとって、私は会社の同僚の1人だ。


それ以上でも、それ以下でもない。

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