
隠れて甘いkissをして
第76章 ずっと2人で
………立花と香ちゃんの結婚式が終わって
2人の希望もあって、これからシゲさんのBARで、私達だけの小さな2次会をすることになっていた。
戻ってくる2人の為に、シゲさんは張り切ってお酒と料理の準備をしてくれている。
私とアンジーがあまりにも泣き続けるから、シゲさんがしばらく外の風にあたっておいでと言ってくれた。
通りに面したこのバルコニーから、真っ赤に染まった空が見える。
アンジーが1階に降りていった後も、私はその色をずっと見つめていた。
「……あの場所で、俺が由宇を見つけたんだったな」
隼人が私の隣りに並んで、向かい側の歩道を指さした。
「………うん」
大雨の中、傘を差し出してくれたあの日の記憶。
あれから2年が経った今でも、鮮明に私の頭の中に浮かんでくる。
