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息もできない

第15章 謝って欲しいわけじゃ

でも黒澤さんとのことは種明かししてあげようと思って俺が春陽から離れようとすると腕にぐっと力が入った


「どこ行くの?」

「ちょっとキッチンに」

「なんで?飯はいらないけど」

「ん?黒澤さんとなんで知り合いだったのか知りたいでしょ?」


俺は春陽の手が緩んだ隙に立ち上がった
すると春陽も一緒に立ち上がってキッチンまでついてきた


俺が何か言う前に春陽は俺が取り出したワインを見て気がついたみたいで、

「これ……」

と呟いた

俺はなんだか楽しくて
にこにこ笑いながら


「ハッピーバースデー、春陽。ちょっと遅れちゃったけどね」


と言った

春陽は急に俺を抱き締めて


「ごめん……!!ありがとう…!!」


って耳元で囁かれた


くすぐったいような気持ちで

俺は



一昨日、すごい考えたんだよ


春陽に喜んで欲しくて


だから
喜んでもらえて良かった

って春陽の腕の中で考えてた

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