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息もできない

第15章 謝って欲しいわけじゃ

無言で入るのも嫌で結局

「し、失礼します」

と一声掛けながら入った

自分の家なのにな…ここ

入ると、浴槽に浸かっていた春陽が俺を見てやらしく笑った

「なに?直、そんな女の子みたいな格好しちゃって。可愛い」

「ぅー…っ」


やっぱり恥ずかしいっ


「女の子になっちゃったの?見せて?」

と言って洗い場の椅子に座った俺の方に身を乗り出して俺が巻いているタオルの胸のあたりに手を掛けた


「や、…だめっ」

俺は必死で春陽の手を止めるけど、春陽は俺より力が強くて簡単にタオルをほどかれてしまった

両手首を持たれているから隠すことも出来なくて胸も、脚は閉じているけど股間も春陽に晒される


「ぅぅうーーっ…」


恥ずかしい
恥ずかしい…

春陽が何も言わないことに余計に不安が募る
羞恥心と不安とが頭の中でごっちゃになってわけわかんなくなって


気づいたら俺の目から涙が流れていた

「ぅ…くぅ、ん…はる、ひぃ…ゃ………やだぁ…」

ポロポロ涙を流していると俺の身体を寄せて目元にちゅ、と春陽が口つけた


「ごめん、直。無理矢理して。綺麗すぎて見惚れてた」

「綺麗…?」

「うん。めちゃめちゃ綺麗。ここも…ここも…」


春陽は指を差す代わりに俺の身体中に吸い付いて赤い跡を残して行く

耳元、首筋、肩、鎖骨…

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