テキストサイズ

息もできない

第20章 大崎さんの

何気無く見つめたその先に一組の男女

男性の方はそこらへんにいる人たちより背が高くて足も長いモデルみたいな人で
女性の方は胸は大きくてウエストは細くて、抜群のスタイルをしている


俺には遠目からでもその人が誰なのかわかった


春陽と、大崎さん


前に一度見た時の、あの光景は今も目に焼き付いていて身長とか体格とかでわかってしまう


でも


と俺は自分に言い聞かせた


信じるって決めたんだ
春陽は俺のものだから、手放さないって決めたんだ

だから、苦しいけど
泣きたいけど


俺は無表情のまま、二人を見守った


二人は特に甘い雰囲気になるわけでもなく、少し会話してからわかれた


前回大崎さんと春陽が会った時は俺の不審な態度の理由を聞きに行った、みたいなこと言ってたけど
今回は、なに?


考えているうちに圭太がトイレから帰ってきた


「なお?なーお?」
「圭太、おかえり」
「あぁ、どうした?そんな外ガン見して」
「…………春陽が、大崎さんと歩いてた」


俺の発言に圭太は固まった


「は?」
「………」


俺が黙ると圭太は俺の腕を掴んだ


「おい、大丈夫か?」


心配そうな顔で俺の顔を覗き込む圭太に俺は微笑んだ


「大丈夫。もう下手に疑わないもん。夜電話して問いただしてやる」

俺の返事で安心したような顔になった圭太は俺の腕を離して

「そっか。変なことしてたら俺が殴ってやるよ」

と言ってくれた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ