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息もできない

第20章 大崎さんの

そして、引越しを予定していたはずの何も予定のない朝がやってきた

俺はまだ何もやる気が起きなくて目覚めたはいいものの、起き上がらずにぼーっとしていた


なんだか昨日のことは夢のまた夢、みたいな遠い世界で起こったことのように思えて
ずっとこうしていたら心配した春陽から連絡が来るんじゃないか、なんて安直な考えをしたりしていた


そのまま1時間が過ぎ、2時間が過ぎても連絡は来ない


やっぱり現実だったんだ………よね


また、目頭が熱くなるのを感じたけど自分が決めたことだと涙をこらえる

そして景気付けのように勢い良く起き上がった


けど


目の前に広がるダンボールの山に、気力を削がれてまた寝転がりそうになった


春陽の家に引越すことはもうないかもしれない
……………
荷解きしよ


このままもとの部屋に戻したんじゃ陰鬱な感情が拭えないような気がして、気分転換に模様替えでもすることにした


今日は何も考えたくない
大崎さんと何があったか探るべきなんだろうけど、正直春陽の顔が見られる状態ではないし
大崎さんの家なんてしらないからそっちに行くこともできない

会社が始まるまであと3日

俺はそれまで、春陽とのことを進展させることも諦めることもできずにただ待っているしか出来ない

と言っても、諦めることなんて出来るわけないんだけど

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