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息もできない

第21章 そろそろ泣きたいのですが

大崎さんが来るまでの間俺たちにはほとんど会話はなくて暫らくしたら

「そろそろ来るから…」

って言われて押入れに押し込まれた


鞄と靴と、後はもとから入っていた荷物でぎゅうぎゅうになりながら僅かな隙間から様子を除く


「お邪魔します」


と遠くから大崎さんの声が聞こえて、階段を上る音が二つ近づいてきて
ドアが開く音がした


「その辺適当に座ってください」


仁くんの声がして、俺の細い視界の中に大崎さんが出てきた


「それで、話って?」
「ーー俺たちのグループは、大崎さんに協力すんのをやめさせてもらいます」
「え?」
「人の恋人取るための都合のいい存在じゃないんで」
「一度は了承したじゃない。それにあんたたちの元リーダーに言ってもいいの?」


危機的状況だと俺は思うんだけど、大崎さんは至って冷静
言われたことは予想外だけど別に痛手でもないって感じ
そんなに元リーダーってすごい存在なのかな


「綾サンとあの人が切れてるのはわかってます。だから別に構いません」


はっきりと言い切った仁くんの態度に腹を立てたのか、大崎さんの態度が急変した


「なんなの!?男なんだから言ったことはやり遂げなさいよ!!!」


なんか、大崎さんおかしいぞ…?

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