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息もできない

第21章 そろそろ泣きたいのですが

「どっちでもいいだろ」


そう言って春陽は俺から目をそらした


「よくないです」


俺は強い口調で春陽を問い詰める
春陽は俺を軽く睨んでから頭をがしがしと掻いた


「そうだよ。わざわざ聞かなくてもいいだろ」


そこに俺は追い打ちをかけるように言う


「電話してください」
「え?」
「今すぐ、大崎さんに電話してその約束が本当にあるのか確認してください」


春陽は当然困った顔をした


「なん…ーー」
「いいから」


春陽は困惑したまま携帯を取り出した
少し操作して携帯を耳に当てる


「もしもしーーえ…?」


電話の向こう側から俺にも聞こえるぐらい大きな声で大崎さんが叫んでいた


『だから!!春陽とはもう別れる!!!もう、解放してあげる!谷口さんのところでとどこでも行って!!』


電話は相手からすぐに切られたらしく、春陽はその言葉の後何を言う隙も与えられずに携帯を耳から離した

それから俺に向き直って


「なに、これ…何かしたの…?」


春陽は突然のことについて行けず俺の方をまた困惑した顔で見ている

俺は

「詳しくは後で話します。これで今日の予定はなくなりましたよね?俺は今日、三浦さんに聞きたいことがあって来たんです」

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