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息もできない

第22章 俺に矛先を向けるな(サイドストーリー2)

キスをやめて顔を少し離したところで朗に聞いてみる


「なぁ、ローションとかある?」
「ん、そこ」


朗はベッドサイドの棚を指差した
俺は手を伸ばしてそこからローションを取り出す

粘性の高いそれは中に含んだ空気を逃すことなくなく丸い気泡をそのままとどめていて、朗が情事をした時間の空気も中に入っているのかと想像して俺はもやもやする


そんな俺の心境を察したのか朗はローションを俺の手から取り上げた


「ちげえよ、あほ」
「なにが」
「これが減ってんのはお前以外と使ったわけじゃねえよ」


俺の胸のうちを的確についた朗の言葉に俺は動揺する


「じゃあ何に使ったんだ?」
「ナニ、だろ」
「は?」
「男ならわかんだろ」


俺は最後の答えを放り投げられて考え込む


暫く考えた後俺はようやく答えがわかって赤面した


こんなことで赤面とか、童貞かよ……!!!


「おー真っ赤」
「だ、って…おま…」


朗は俺の頬に手を添える


「お前と会ったあの時から誰ともセックスしてねえよ。だから、それぐらい許せ」
「……許すも何も………」
「何だよ?」


俺は朗の胸に甘えるように脱力した


「だめだ………嬉しすぎ………」

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