息もできない
第23章 今度は俺?
どうしよう………
ていうかさ、仁くんて俺に恋人がいるの知ってるんじゃないの?
「…………」
俺が黙り込んでしまったのを見て仁くんは申し訳なさそうに少し俯いた
「…悪い。俺、あんたに彼氏がいるって知ってる。困らせるだけだって…わかってる、けど……」
遠くから思ってるだけではあまりに辛いと告げられて俺はただ困惑してしまう
俺には春陽がいるんだからすぐに断るべきだって、わかってる
だけど俯いて話す仁くんを見るとどうしても潔く振るなんて可哀想なこと出来なくて
しばらく二人で沈黙してしまった
友達、恋人、家族と色んな間柄で集まった人達が賑やかな音をたてる店内でここまで重い沈黙を漂わせているのは俺たちの席だけ
俺たちが話し始めてすぐくらいに店員さんが持って来てくれた仁くんが頼んだ食事はもう大分冷めてしまっただろう
俺から話すべきだよね
さっきの会話的に、むしろ振られるのもわかってる感じだったし
それに振ってあげないと仁くん前に進めないじゃん…
俺はそう決めてテーブルの木目を追っていた視線を仁くんの方へと戻した
すると仁くんもこちらを見ていて、あー俺が言おうとしてること伝わったのかなーなんて考えていたら俺が話し出すよりも早く仁くんが口を開いた
ていうかさ、仁くんて俺に恋人がいるの知ってるんじゃないの?
「…………」
俺が黙り込んでしまったのを見て仁くんは申し訳なさそうに少し俯いた
「…悪い。俺、あんたに彼氏がいるって知ってる。困らせるだけだって…わかってる、けど……」
遠くから思ってるだけではあまりに辛いと告げられて俺はただ困惑してしまう
俺には春陽がいるんだからすぐに断るべきだって、わかってる
だけど俯いて話す仁くんを見るとどうしても潔く振るなんて可哀想なこと出来なくて
しばらく二人で沈黙してしまった
友達、恋人、家族と色んな間柄で集まった人達が賑やかな音をたてる店内でここまで重い沈黙を漂わせているのは俺たちの席だけ
俺たちが話し始めてすぐくらいに店員さんが持って来てくれた仁くんが頼んだ食事はもう大分冷めてしまっただろう
俺から話すべきだよね
さっきの会話的に、むしろ振られるのもわかってる感じだったし
それに振ってあげないと仁くん前に進めないじゃん…
俺はそう決めてテーブルの木目を追っていた視線を仁くんの方へと戻した
すると仁くんもこちらを見ていて、あー俺が言おうとしてること伝わったのかなーなんて考えていたら俺が話し出すよりも早く仁くんが口を開いた