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息もできない

第23章 今度は俺?

仁くんがご飯を食べ終わるのを待って、俺達は店を後にした

春陽が指定した公園は俺達が住んでいるマンションから歩いて5分ぐらいのところにあるもので、ここからだと歩いて少しかかる


「仁くん、少し歩くけど大丈夫?」
「あぁ、大丈夫」


仁くんの答えを聞いて俺は歩き始めた
仁くんは俺の横を少し遅れて歩く


なんか、気まずいなぁ
って、当たり前か
そーいえば俺、なんで仁くんが春陽に会いたいって言ったのか全く聞いてないや


俺が春陽に合いたいと言い出した理由を聞こうとして振り返ると、仁くんの方から声をかけて来た


「あんた、まだ綾サンと同じ会社にいるわけ?」
「え?あ……うん。そう。でも大崎さんは会社辞めちゃったけど」
「まぁ、流石にあのままずっとってのは無理だろ」
「そう、だね?」
「あんたあの彼氏と同棲してんの?」
「うん。そうだけど」
「へぇ」


仁くんはそのままぽつりぽつりと俺に他愛もない質問をし続けて、結局俺は理由を聞き出せないままで公園に着いてしまった


歩いている途中でメールをしておいたから俺達が公園に着いた時には既に春陽がいた

春陽は俺達に気がつくと特に表情もないまま「こっち」と示すように手を上げる

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