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息もできない

第23章 今度は俺?

抱き締められてる時のこれは、顔を上げてのサイン

俺はゆっくりと顔を上げた


「春陽、家帰る?」
「………そうだね。話は帰ってから」


ハナシ?
俺に話すことあるの?


俺にそんなこと聞く隙間なんて与えてもらえないまま春陽に連れられて家に帰った

家に入ると


「直、お風呂入っておいで?」
「春陽は?」
「俺は入ったから」
「うん。わかった」


会話は一見平和なカップルの会話
だけど、本当は春陽が明らかに作りものな笑顔を浮かべていて俺は怖くていつも通り振舞わざるを得なかった


春陽に追い立てられて俺は浴室に押し込められた


体や頭を洗ってから湯船に浸かってようやく落ち着いた


俺、何したんだろ
なんで春陽は怒ってるんだろ


今日の俺の行動を振り返る


会社で仁くんから連絡が来て、仕事終わりに待ち合わせしてファミレスに行った
それから春陽に実は会議じゃなくて仁くんと会っててーって連絡して、春陽のところに仁くんを連れて行った


ここまで振り返って俺を春陽に、仁くんを別の男の人に名前を変えて想像してみる


……やっばい
イライラする
すごく嫌だ!!


俺は勢い良く湯船からあがった

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