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息もできない

第23章 今度は俺?

「春陽?」
「このまま寝ちゃいたいけどお風呂、入んなきゃ」
「え………」


さっきの嘘だったの


平然としている春陽がお風呂に入って1人リビングに取り残された俺は特にやることもないから一足早く寝室へと向かった


柔らかいベッドに身を沈めて息をつく

大きくため息をつくと身体がよりベッドに沈んでいく気がする
それと同時に睡魔が襲って来て目蓋がおりてきてしまう


眠い………
でも寝ちゃだめだ
春陽が来るの待ってないと……


俺が睡魔と闘っているといつお風呂から上がったのかわからない春陽が部屋に入ってきた

俺の横に腰掛けて
そして俺の髪を指ですいた


「眠い?」
「……ん…」


俺がうつらうつらしながら答えていると春陽はくすりと笑って部屋の電気を消した
それから俺の横に潜り込んで俺を優しく包んだ


あったかい………
気持ちいい


「ねぇ直」
「……ん……?」
「あいつには気をつけてね」


あいつ……?



俺が黙っていると春陽は俺の頬を優しく撫でた


「仁くん」
「じん、くん?」
「そう。仁くんには気をつけてね?」
「ん?んー……」
「わかった?」
「……はい……」
「ん。いい子だね。おやすみ」


俺の意識はそこで途絶えた

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