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息もできない

第23章 今度は俺?

「なに?春陽?」
「いってらっしゃいのキスは?」


いつもしないのに
珍しい


特に反論する理由もないから俺は春陽に触れるだけのキスをした
すると春陽もキスを返してくれる
俺は素直に聞いてみることにした


「朝から珍しいね?」
「ん?んー…だってさ、多分ーー」


そう言いながら春陽が扉を開けると


「おはよ」


そこには仁くんが立っていた


「え!?お、はよ……?」


な、なんでいるの!?


俺の動揺とは裏腹に春陽は落ち着いた様子で小さくため息をついた


「やっぱりな」
「春陽わかってたの!?」
「まぁ、なんとなく?」
「えぇ!?」


と、いうか


「ここに来てどうするの?学校は?」


今日は平日だし、長期休暇にあたるような時期じゃないよね


すると仁くんは何でもないような顔で


「まだ間に合うから」


と言う


「え?いやでも、仁くんこっからだと学校相当遠いよね」


電車でも何時間かかかるから、今から急いで行っても間に合わないかも


「直、こいつにそんなこと言っても無駄」
「え?なんで?」
「こいつ、そんないい子じゃないだろ」
「あ………」


確かに
遅刻なんてどうにも思ってないか

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