テキストサイズ

息もできない

第23章 今度は俺?

いかんいかん、と首を横に振っていると後ろから声をかけられた


「おはよー」
「圭太、おはよ」


俺の横に並んで歩き出した圭太は少しだけ後ろを振り返って小さな声で苦笑しながら聞いてきた


「あいつ、誰?なんか俺すっげ睨まれてんだけど」
「え!?睨んでる?嘘」
「ほーんと。で?誰?」
「あ……」


俺は大崎さんとのことでお世話になった人、とぼんやり説明した


「ふーん?で、その時に直に惚れちゃったって?」
「えっ…なんで…!?」
「わからないわけないだろ。あんな熱烈なお見送りしてもらっちゃって」
「ぅうん……」


俺は唸ることしか出来なかった


「三浦さんは何か言ってんの?」
「春陽?春陽は……気をつけてって」
「は?そんだけ?」
「んー…なんな奪えるものなら奪ってみろみたいな感じだった」


圭太は愉快そうにあらまーと呟いた


なんか変、かな


「ねぇ圭太」
「なに?」
「もしさ、黒澤さんと圭太が同じ状況になったら圭太はどう思う?」


俺がそう聞くと圭太はブッと息を吹き出して咳き込んでしまった


「だ、大丈夫?圭太」


俺が隣でおろおろしていると圭太は大丈夫、と手を上げたけど咳は止まらないし顔は真っ赤

ストーリーメニュー

TOPTOPへ