テキストサイズ

息もできない

第23章 今度は俺?

俺は首を傾げながらも自分の部署に向かった


「おはようございます」


よし、とりあえず仕事仕事…!!




定時から少しだけ残業をして、ようやく帰宅時間
携帯を確認するとメールを知らせるアイコンが待ち受け画面に表示されている

メールを開くとそれは春陽からで


『久しぶりに店で晩御飯食べよう。仕事終わったらおいで』


と書いてある


『今仕事終わったよ!急いで行くね』


と返し手早く荷物をまとめて会社を出た

春陽からのお疲れ様、と労うメールを読んで気分良く会社のエントランスを通り過ぎようとすると


「お疲れ様」


と受付の女の人達の声じゃない声に話しかけられた

俺が振り向くとそこにいたのは


「仁くん!」


なんで俺が仕事終わる時間わかったんだろ
っていやいや、待ってたんでしょ


俺は慌てて近寄る


「俺のこと待ってたの?」
「あんたの他にこの会社に知り合いなんかいねぇよ」
「そ、う……」


ふと見ると仁くんは社員がコーヒーを飲む時に使う紙コップを持っている

俺の視線に気がついたのか仁くんは紙コップを軽く上げた


「これ、あそこの人がくれた」


仁くんが指差したのは受付の女の人

ストーリーメニュー

TOPTOPへ