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息もできない

第23章 今度は俺?

「心狭くて、ごめん」


そう告げられると俺の胸が苦しいほど痛む
この痛みは「愛しさ」かな

俺は春陽に強く抱きついた

春陽は軽々とそれを受け止めて同じ力を返してくれる


「大好き……!!」


俺がそう言うと春陽はまた俺の頭をするりと撫でて自分の胸に俺の顔を少し押し付けた


あ……春陽の匂いだ
安心する……


そして囁くように


「それなら、俺にもっと甘えて。俺だけが直に甘えられてるって、許されてるって実感したい」


と言われた


うぁぁぁあ…!!
もう!


「も、だめ……苦しい。俺、死んじゃうかも…っ」
「直?」
「ん……春陽、大好き」


俺が春陽の胸に顔を埋めながらくぐもった声でそう言うと春陽は俺の頭にキスをした

俺は春陽の顔を見れるように顔を上げた


「ねぇ、春陽」
「なに?」
「甘えていいの?」
「もちろん。俺だけにね」
「なら、俺のこと好きって言って?」


俺がそう言うと春陽はふわりと優しい微笑みを浮かべた


「直、好きだよ」
「うん。……もっと」
「好き」
「うん」
「好きだ」


俺は少し身を伸ばして春陽の唇に自分のそれを押し付けた


「俺も、大好き」


俺が笑うと、春陽も笑った
それだけで幸せ

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