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俺たちはそのあと春陽のお店なのをいいことに散々じゃれあって、春陽が作ってくれた晩御飯を食べたのは随分夜も深くなった頃だった


「直、美味しい？」
「うん。おいしい」


俺はこれ以上ないくらい幸せに満ちていて、ご飯もいつもの何倍も美味しく食べられていた

俺が上機嫌でご飯を頬張っていると、俺の横に座って同じものを食べていた春陽が俺の口元を指で拭った


「ついてる」
「あ、りがと…」


春陽が拭った指をそのまま舐めたことに頬を染めながら照れ臭さから俺が俯いていると


「あいつ、どうするかな」

と春陽が言った


「あいつ……仁くん？」
「そう」
「どうにか、しなきゃだめなの？」


俺が首を傾げると春陽は俺の額をトン、と指で押した


「だめでしょ。あいつは俺の直に近づきすぎ」
「そう…かな？別に触ってきたりしないよ？」
「一緒に歩くのも口きくのもだめ」


春陽が嫉妬をあらわにするから俺はなんだかおかしくてくすくす笑ってしまう


「割と本気で言ってるんだけど？」
「わかってるよ？」
「ほんとかな…」


春陽が机に頬杖をついて俺の方を見てきたから、俺も同じ格好をして春陽を見返した