テキストサイズ

息もできない

第23章 今度は俺?

俺は春陽の横に潜り込んだ

ベットに入ると春陽は俺の方に背中を向けていて顔を見ることは出来ない


春陽………

明日、謝ろう


俺はそう決めて目を閉じた



次の日目が覚めたのはいつもより少し早い時間だった

目覚めた原因は、寒さ
いつも抱き締められて寝ている時に感じる温もりが今日はないから


目を閉じたまま切なさを噛みしめる


寒い
離れて寝るのってこんなにさみしかったっけ
一人暮らし結構長かったんだけどな


温もりを与えてくれるはずの隣に寝ている春陽の姿を見たくてうっすら目を開けると


「うそ………」


春陽はそこにいなかった

手で春陽がいた場所のシーツを触ってみるとそこに人の温もりはなく、俺が起きるより大分前に春陽がいなくなったことを知らせた

耳をすませても物音がしないことから春陽は家の中にすらいないだろう


そのことを実感して俺の目頭が熱を持ち、両目から涙が溢れた


「なんで……いないの…?」


もしかしたらお店から連絡が来て緊急の用事があっただけなのかもしれないし
ただコンビニに出かけているだけかもしれない

でも


昨日は、ケンカしてた


起きた時のあの幸福感の無さは俺の心を撃ち抜いて


「…っく、ひ……ぅ、く…」


俺は一人部屋で嗚咽を漏らした

ストーリーメニュー

TOPTOPへ