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息もできない

第23章 今度は俺?

散々一人で泣いて、目蓋が重ったるくなっているのを感じながらゆっくりと起き上がった

リビングに入ると痛いほどの沈黙がそこに立ち込めている


テーブルの上に置き手紙でもあるかな、とかすかな期待を抱いていたのだけれどテーブルを見てその期待は儚く崩れていってしまった

春陽がただいないだけ

それだけなのになにもやる気が起きなくて
今から普通に準備して会社に向かえば余裕で間に合う時間なのに会社に行く気が起きなくて
俺は会社に電話をかけた

内線で部長に繋げてもらう


「すみません。体調が優れないので今日はお休み頂けますでしょうか?」
『特に忙しい時期でもないし構わないが…谷口くん大丈夫か?酷い声だぞ?』
「大丈夫です。一日休めば治ると思うので」
『そうか。まぁ、季節の変わり目だからなぁ。お大事に』
「ありがとうございます。ご迷惑おかけして申し訳ありません。失礼します」


俺、そんなに酷い声してたかな……

だめだ
頭痛い

ちょっと横になろう


俺は水を飲んでから寝室に戻った

俺がベッドに腰掛けた時インターフォンが部屋に響いた


こんな真昼間に誰だろう?
何かの勧誘だったら嫌だな


なんて、本当は期待してる
春陽が帰って来てくれたんじゃないかって


俺が休んだことを知ってるわけないからそんなことありえないんだけど


こんなにネガティブなのも久し振りだな
…ていうか俺熱あるかも
頭ぼーっとするし、くらくらする

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