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息もできない

第23章 今度は俺?

重たい身体を無理やり立ち上がらせてインターフォンに向かうとモニターに表示されていたのは俺と春陽の仲をこじらせた張本人だった

仁くんに悪意があるわけじゃないってわかってるけど


「はい」


俺が誰だかわかっていないように装って出るとモニターの向こうで仁くんは『直、さん?』と律儀に確認してきた


『今日、出て来ねえから……体調悪い?』


仁くんは心から心配してくれてるってわかってるんだけど、俺はダルさから短文で返してしまう


「うん」


いつもはしない短い返事に仁くんも少し驚いているようで、会話がスムーズに続かない


『…大丈夫?』
「うん」
『……そ、う……。看病しに行こうか?」
「平気」

他人の看病なんてしたことないだろうけど、そんなこと言ってくれるのが少し嬉しい

けど

俺と春陽のこの家に極力人を入れたくなかった

前に仁くんを入れた時は平気だったのに、なんでか今はすごく嫌で


「用事はそれだけ?もう寝たいんだけど」


俺は仁くんに冷たく当たってしまった
仁くんはどうしていいかわからない様子で


『…あぁ…具合悪い時に悪かった……。お、大事に?』
「ありがと」


俺はインターフォンから離れて再び寝室に向かった

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