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息もできない

第23章 今度は俺?

俺って酷い奴


俺はベッドに横になって考えた


仁くんが俺を好きで、構ってくれていることに気を良くしていたのかもしれない
あの無邪気な笑顔で慕ってくれるから自惚れてたのかも

普通ならありえない
恋人がいるのに毎日学校に遅刻させながら送り迎えさせて、メールだってたくさんもらって


なんで俺こんなことしたんだろ

酷すぎ



仁くんにちゃんと断ってない
好きなようにさせてた

若いのに、恋人がいる俺なんかに時間使わせてた


俺は熱に浮かされた頭でなんて酷い奴なんだって自分を責めた


俺は春陽からの愛情を受けながら仁くんの気持ちまで持とうとしてたのかも


馬鹿


俺はうずくまった


もうなんか嫌だ
頭痛いし、気持ち悪いし

寒い


俺なんか


「消えちゃえ」


かつてもそう思ったことがあったような気がするけれど、その時よりももっと強い感情をこめて俺は呟いた


熱のせいかわからない涙がどんどん溢れてきて

自分がとても汚いものになった気がする
真っ黒で、どろどろした、汚いもの


俺は布団を強く握って漏れる嗚咽を堪えようとした


でもそんな抵抗は意味もなく俺の口からはうめき声が漏れていく

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