テキストサイズ

息もできない

第23章 今度は俺?

朗の電話の相手は三浦さんだったらしく、朗は挨拶もなしにこう言った


「今すぐ集合だ、ハル」


電話の向こうで呆然としている三浦さんの雰囲気が伝わってきて、三浦さんへの怒りは収まらないが少し可哀想になった

朗はなんで、とかそういう疑問に一切答えずに俺達二人がいる喫茶店の名前を告げると早々に電話を切った


「すぐ来る」


そう言って朗は注文したコーヒーを飲みだす


絶対そんなこと言う暇与えてないけど、俺と直に幼馴染同士でしか伝わらないことがあるように朗と三浦さんにもお互いの空気ってものが存在するんだろう


ただ申し訳ないことに、電話の会話ではペットと飼い主のようだと思ってしまったが



それから30分もたたないうちに三浦さんはやってきた
しかも、息を切らして

本当に従順な犬のようだ


「っはぁ…はぁ、はぁ……」


それを見て朗は自分の腕時計に目をやって


「何分かかってんだよ。おっせえな」
「はっ……はぁ、悪い……」


リアルSMプレイでも見せられているのだろうか


「でも朗……ちょっと急すぎだろ…」


すると朗は大きくため息をついた


「うるせえな。そんなこと言うなら帰れ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ