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息もできない

第23章 今度は俺?

俺は直を背中側から抱き締めた


「こうしてるだけでも十分でしょ?」


まぁそりゃ、本当はシたいけど
そんなことよりしなきゃいけないことがたくさんあるから、ね


そこそこ温まったら長風呂させてはいけないから、と直を上がらせて服を着せた


「んー……春陽パーカーは?」
「俺の?着たい?」
「……ん……」


直は俺のパーカーを着て嬉しそうにしている


なんか、子供に返ったみたいな仕草するな
熱が出ると人恋しくなるとか、そういうやつかな


俺は直の頭を撫でて


「ちょっと待ってて」


とリビングに折りたたみ式の椅子を取りに行った

それを脱衣所に置いて直を座らせる


「それじゃ乾かすよ」
「ふふ」
「なに?」
「なーんか、至れり尽くせりだなって」


直は笑いながら俺の腕に絡んでくる


もう、また
顔が緩んで止まらないよ

可愛い


「病人には、優しくするものでしょう?」
「風邪治ったら優しくしてくれなくなるの?」
「どっちがいい?」
「決まってるでしょ」
「冷たくして欲しい?」


俺が意地悪でそう言うと直はしがみついていた俺の腕にちゅ、とキスをして


「やーだ。優しくして」

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