テキストサイズ

息もできない

第24章 過去と現在

「ばか」


と口に出すと、春陽は機嫌よさげに俺を抱きしめ直した

そして柔らかく肩にお湯をかけてくれる


「ごめん、直。可愛くて顔がにやけちゃった」
「にやけるだけじゃなくて笑ってたけどね」
「ごめんってば」


春陽は俺の機嫌を取りたいのか首の後ろに吸い付いては跡を残している


そういえば俺、春陽に跡つけてない


俺はくる、と振り返ると少し驚いた春陽の首筋に吸い付いた

あんまりやると浅黒くなっちゃうからほどほどで止めると、春陽の肌は綺麗に赤く染まっていた

満足そうにそれを眺めていると春陽は俺の髪にキスをしてくる


「どうしたの?急に。可愛い」
「ん……俺、今日春陽に跡付けられるばっかで付けてないなって思っただけなんだけど……春陽?」
「んー?」


俺は尚も俺の髪やら頬やら色んなところにキスをし続ける春陽に気になっていたことを聞いてみた


「なんか今日やたらキスしてくるね?」


普段も十分多いと思うけど


首を傾げると春陽は可愛いって言いながら俺の口に軽くキスをした


「当たり前でしょ。もう我慢しなくていいんだから」
「我慢?」
「そう。俺がどれだけ直のこと好きになっても、縛っても大丈夫ってわかったら止まらなくなった」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ