テキストサイズ

薫子の先生な日常

第2章 Kとわたし

「先生……」

茶がかった瞳が熱を帯びてゆらゆら揺れている。

頬は紅潮し、足元はおぼつかない。

一瞬どきりとしたが、平静を装う。

「とりあえず検温して、お母さんかお父さんに……」
話はじめた私の手を掴んだKの手が熱かった。

私はKを、Kは私を見つめたまま、扉に入っていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ