
片想いの行方
第14章 夏祭り
言いかけたその時、あたしの後ろからドンっと誰かがぶつかった。
「…!痛った…」
ぶつかった人はすみませんと謝り、そのまま前に急ぎ足で進んで行った。
花火の時間が近付き、商店街の抜けた先にある川原へ急ぐ人が増えてきている。
クラスメートの列も、気付いたら少し前を歩いていた。
油断してたらはぐれそうだ。
「ヒメ、ごめん急ごう。
うかうかしてたら遅れちゃうね」
歩く足を速めようとすると
「……!」
あたしの右腕を、ヒメが掴む。
「な、なに…?」
すると、ヒメは前に向かって叫んだ。
「アンナ!」
その通る声にアンナを始め、前を歩くみんなが振り返った。
