
片想いの行方
第14章 夏祭り
「こいつ借りるわ! 先に行ってて!」
「………!?」
な…!
今なんて言った!?
あたしは意味が分からず、驚いてヒメを見る。
「はぁ!? 先行っててって…あとから2人で来るのよね!?」
アンナが叫ぶ。
「わかんねー。行けなかったら別行動ってことで!」
「…ちょ、ちょっとヒメ…」
ヒメはそれだけ言うと、あたしの腕を引っ張って商店街の十字路を左に曲がった。
わ、わけわからないよ~!!
多くの人が真っ直ぐ向かう中、左に入ったここは比較的空いている。
ヒメがパッとあたしの腕から手を離した。
