
片想いの行方
第32章 選択、そして決断の先に
………2人の本当の笑顔。
あの、美和って子が現れるまで
それがいつのまにか消えていた事に、私は気付かなかった。
だって、2人の蓮は、いつも私に優しかった。
寂しいって言えば、抱きしめてくれたし
どんな時も、呼べばいつでも傍に来てくれる。
あの美しい目で、私を見てくれるのが、心から嬉しかった。
……でも………
私が本当に憧れてたのは………
2人の蓮が……お互いに笑い合う、笑顔だった。
言葉を交わさなくても
理由を作らなくても
お互いを信頼し、心から楽しそうに笑う姿に、胸が高鳴った。
だから……
その最高の笑顔を、どうしても自分に向けて欲しかった。
その願いが、逆に彼らの笑顔を奪うことになっていたのに
私は見て見ぬふりをしていた。
